SMについての解説
SM(エス・エム)とは、サディズム・マゾヒズムの頭文字を合わせた呼称。
支配する側「トップ(S)」と服従する側「ボトム(M)」で成り立つ精神的・肉体的な関係のこと。
またはその間で行われる行為そのものや、それにまつわる文化のこと。
語源
加虐嗜好であるサディズム(Sadism)と被虐嗜好であるマゾヒズム(Masochism)の頭文字である。Sadomasochismという一体化した呼び方もある。
サディズムに関するさまざまな描写をした小説を書いたマルキ・ド・サドが、サディズムの語源とされる。
当然サド以前にも、加虐嗜好の人は存在したはずであるが、数々の小説作品(『悪徳の栄え』、『ソドム百二十日』など)を発表しSM行為を実践した彼が由来となった。
マゾヒズムは、19世紀のオーストリアの小説家ザッヘル・マゾッホの作品のテーマから彼の名をとって命名されている。
概要
一般には男性と女性が合意のもとに性的な快楽を求めてSM行為を行う。一方が主人、他方が奴隷の役割を演じ、主人が奴隷を肉体的・精神的に責め、双方がそのことで快楽を得るものである(同性間、あるいは3人以上や1人で行うこともある)。DVなど嫌がる相手を一方的に責める場合とは意味合いが異なる。
方法
叩く、つねるといった簡単な方法もあるが、本格的になると鞭や蝋燭、ロープなどを使って相手を責める(必ずしも裸にならなくてもよい。コスプレの要素も含み、あえて着衣で行う場合もある)。
男女のセックスにおいて、「叩く・つねる・罵倒する」などの簡単な方法を用いる方法を、ライトSMまたはソフトSMと呼ぶ。それと区別するため、本格的に鞭や蝋燭などを用いる方法をハードSMと呼ぶ場合もある。
ただ、ボンデージ・ファッションの普及やSMプレイの認知度が高まった2006年現在では、どこまでがソフトでどこまでがハードかという基準は非常に曖昧である。
肉体的な責めのほか、精神的な恥辱を与えるため、相手を罵倒するような言葉によって相手を責める、普通人前では見せない、羞恥心を煽る恰好をさせる、排泄を強要する、小便をかけたり飲ませたりする、第三者に行為を行なうところを見せるなど、様々な責めがある。
責め方には、文化的・民族的な趣味嗜好の違いがあり、日本では古くから伝わる緊縛の技術が、SMプレイの一環によく取り入れられている。
ボンテージ
ボンデージ(bondage)とは性的興奮を得るための拘束行為、もしくは拘束を行うための道具である。男女共にボンデージを魅力的だと感じること多いが、行為を不快に思う人もいるので、共に納得の上で行為に及ぶのが望ましい。
- ボンデージとは何か?
- ボンデージとは何を指すのかについては様々な意見があり、次のような観点がある。
・BDSMを行っているグループでは、ボンデージは服従、被服従関係を築く技術の1つである。
・性行為を行うカップルの間では、ボンデージは性行為の技術の1つである。
・自慰行為を行うものにとっては、想像をかきたてる方法である。
・自縛行為に代表される、1人で行えるものである。
ボンデージはほぼ全ての性的嗜好の人に受け入れられる要素があるが、男性同士の性的関係で革やラテックスに身を包むという嗜好がその走りの1つであると考えられている。
字義的な意味とファッション
英語ではBondageは束縛、拘束、囚われの身分、囚われの状況を指す言葉であり、字義的には支配的なパートナーが服従的なパートナーを何らかの形で束縛することがボンデージと解釈することができる。
ただ、近年ボンデージファッションの一般化により革やPVC製の衣服をボンデージと見なすことが多い。本来の言葉から言えば露出度が低くてもバックルやチェーン、ラバーの伸縮などでぎちぎちに締め上げるスタイルがボンデージを体現していると言えるが、単なる露出度の高い黒革の衣装になっていることは否めない。
危険と安全対策
ボンデージを楽しむためには、様々な安全対策が必要であり、またパートナーが十分に信用できる人物であることが何よりも大切である。注意すべき点は多岐にわたるが次のような点が挙げられる。
- 行為を終わらせるために言う言葉(safe word:セーフワード)を決めておき、不快である場合は直ちにやめる。
- 飲酒状態でボンデージを行わない。
- 拘束した人を眼の届かないところで放置しない。
- 首の周りにヒモやロープを結ばない。首輪などの場合は、十分な余裕があることを確認する。
- 胸などが圧迫され、呼吸困難になる体勢に放置しない。
- ハサミやナイフを準備し、ボンデージ器具が故障したり、結び目が解けなくなった場合でもすぐに拘束を解けるようにしておく。
- 頭をすっぽり覆うものや口にはめるものを使う時には、呼吸ができることを確認し、飲み込んでしまった場合でも(なにかの事情で嘔吐した場合は吐瀉物が)喉につまらないようになっているものを選ぶ。
セーフワード
ボンデージプレイの場合、支配的なパートナーと服従的なパートナーとの行為はロールプレイになることが多い。そのため服従的なパートナーは気分を高揚させるために「いや」とか「やめて」という言葉を発する。この言葉をそのまま受け止めていたのではいちいちプレイを中断せねばならないが、もし無視してプレイが続けられたならば、本当に「いや」で「やめて」ほしい場合でも止める手段が無いことになる。そのためあらかじめパートナー同士で「行為を終わらせるために言う言葉」を決めておいて(何でも良い)その言葉が発せられた場合は直ちにやめることがお互いの信頼関係を維持する方法となる。 しかしさるぐつわなどを好む場合はセーフワードを言うことが困難となる。その場合はジェスチャーなどなんらかの方法で行為の中断を伝える余地を残しておくことが必要である。
奴隷市場 (性風俗)
性的趣向として行われる行為の一つ。奴隷の売買及びその課程を楽しむSMの一分野。主に欧米で認知されている。
- 内容
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無理やり引き立てられ、衆人の前で値踏みされるのに快感を覚える者(奴隷)と、そうやって人を売買するのを楽しむ者の間で、仮想的な奴隷売買を楽しむ。
男が女の奴隷を売買するのが一般的だが逆も存在する。その場合は、買い手の女性を「女王様」、奴隷の男性を「M男」と表現したりする。
買い手はその奴隷のしぐさなどを楽しみ、開けっぴろげな奴隷よりも「羞恥心」が強い奴隷を好むことが多いとされる。奴隷は「家畜」同然に扱われる「屈辱感」を楽しむとされ、以下のようなSMプレイを含むことがある。
・全裸にする。
・後ろ手に縛る。
・首輪をつける。
・檻に入れる。
・番号をつける。
・シチュエーションをつける (借金返済のため、意に反して競りにかけられる…等)。
エイジプレイとの混合で赤ちゃん奴隷の売買や、ペットプレイとの混合で奴隷犬の売買の形を取る場合もある。
剃毛しパイパンにする、ペーパータトゥで卑わいな絵や文字を入れるなど、奴隷の印を付ける場合もある。
木馬責め
木馬責め(もくばぜめ)とは戦国時代・江戸時代、明治以降戦前の昭和時代等に行われた拷問の一種。現在では、SMプレイにおいて女性に対する羞恥的、かつ性的な責めとしてSMプレイ等にも使用される。
女性を全裸にした上で、両手を後ろ手に縛り木馬にまたがらせた後、頭髪を天井から垂らした縄で結び責めるという方法もある。激しい苦痛と恥ずかしさから他に類を見ない苛烈な責めと言える。
ろうそくプレイ
ろうそくプレイとは、火のついた蝋燭を傾けて、滴り落ちる溶けた蝋を肉体に垂らすことで性的興奮を高めるSMプレイの一種。
日本では、古くから照明用としてハゼノキから作られた和ろうそくが一般的に用いられていた。いつごろからか、この和ろうそくを用いたSMプレイが生まれ「蝋燭責め」「蝋燭プレイ」などと呼ばれている。
和ろうそくは、一般的に市販されている西洋ろうそくとは違い融点が低いので、火傷するほど熱いわけではないが、安全に細心の注意が必要なのはかわりがない。日本だけでなく、海外でもろうそく責めはメジャー化しているが、これは和ろうそくと同じ樹脂を含んだ松明から滴る溶けた樹脂を、17世紀頃に拷問に用いたことから転化したものと思われる。
そのためキャンドル・プレイではなくワックス・プレイと呼ばれる。
- プレイについて
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熱い蝋が無防備な肌に触れると、かなり熱さを感じるとともに蝋が固まるまでその熱さがじんわりと続く。
特に市販の洋ろうそくは融点が高くかなり熱い。一般的にはお腹や腕、太ももなどの部位に垂らすことで深刻な火傷を避ける配慮が必要。
肉体に火が近づくことで本能的な恐怖も演出できるために、暗い中で行なうと効果的である。
蝋は冷えるのも早いために、高い位置から落とせば落下中に冷えて、熱さはセーブできる。また和ろうそくが入手できた場合は乳首や陰部など敏感な部分への責めも可能である。
垂らす場所を一点に集中することでそこの部分に蝋の層ができ熱さを和らげてくれる。じわじわと蝋の層を広げることによって広範囲に広がった蝋をはがすと、うぶ毛(あるいは陰毛)が一緒にはがれるために別のプレイともなる。
色付きの蝋で白い肉体にさまざまな装飾を施したり、何らかの文字を書くのもプレイのバリエーションである。また付着した蝋を落とすのに鞭でもって払いのける、として鞭打ちに移行する場合も多い。
上半身(主に腕)主体の縛り方
- 高手小手縛り:最も一般的な縛り方の一つ。後ろ手に組んだ腕の手首を肘より上に縛り、胸の上下に胸縄を巻く。
- 片手小手縛り:一方の腕のみを背後に回し固定、首縄と胸に回した縄で上半身を縛る。片手が自由になるために何かさせるための縛り方。
- 合掌縛り:背後に回した手を合掌させて固定する縛り方。体が柔軟でないと難しい。
- 鉄砲縛り:片腕を肩の上から、もう一方を側面から背中にまわして縛る方法。鉄砲を背負う形に見立てている。
- 後頭両手縛り:両手を頭の後ろで組んだ状態で縛る縛り方。西洋では服従のポーズ。
SMにおける調教
- 海老責め:足は座禅を組ませ、そのまま正面から頭を足に近づけ固定する縛り方。体を海老のように曲げるためこう呼ばれる。元は江戸時代の拷問。
- 逆海老:上半身を縛り上げ、足は背中から頭に近づける縛り方。エビとは逆に背中を反らせるためこの名がある。英語ではhogtiedという。
- 座禅縛り:座禅を組んだ状態で足を縛る方法。通常手は背中側に固定する。足首と首を近づけて縛れば海老責めとなる。また、前に倒せば座禅転がしになる。
- 亀甲縛り:もっとも有名な縛り方。首にかけた二つに束ねた縄を股間から背中に回し、余った縄で手首を固定し、正面の縄を開くように固定する。その際に胸のあたりに六角形を作る。縄目が美しいので見栄えがする。手首を縛らずに飾り縄としても用いられる。
- 菱縄縛り:亀甲縛りと似るが、正面の縄目が六角形ではな無く菱形を作るように縛る。
- フェラチオ等を強要する。
- 乳房や秘所をまさぐる。
- 無理やり股を開かせおまんこをあらわにする。
- 集団で陵辱する。
- バイブレータで責める。
- 吊るす。
- 屈辱的な姿で放置する。
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